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五島・世田谷・根津

きのうは朝早くからでかけて、美術館3館をまわりました。

もともとは新装成った根津美術館に光琳の燕子花図屏風を見に行くだけのつもりだったんですが、せっかく東京へ行くのなら…と調べてみるとあるある、興味深いのが。

ひとつは五島美術館の開館50周年記念名品展から第1回として絵画モノの展示会、そしてもうひとつは世田谷美術館の川上澄生展です。問題は場所ですが、幸い五島美術館と世田谷美術館が比較的近いので、丸1日費やせば回りきれるだろうと五島美術館の開館時間に合わせて行くことにしました。

まず五島美術館ですが、とても良かったです。本阿弥光悦の色紙帖がもう素晴らしい美しさで、他には源氏物語絵巻や鉄舟徳済の蘭竹図が気に入りました。源氏物語はつい最近になって本を読み、全54帖のうち、まだ45帖くらいまでしか行ってないんですが、こういった絵画を楽しむためのものでもあったので、良かったです。

田辺聖子の新源氏物語なので、厳密には現代語訳とはちょっと違うかもしれないんですが、これまで何度か挑戦してきたものの、他の諸本は「いや~ん、源氏変態~」とか思ったりして結果的に続きませんでした。

田辺氏のには読ませる何かがあったんでしょうね。で、五島美術館では11月にこの源氏物語絵巻を一堂に集めた特別展をやるそうで、その時にもきっと読破が役立つことでしょう。ところでここは庭も良いですね。広大な敷地ながらよく手入れされていて、燕子花(画像)やきれいな藤棚がありました。

五島美術館のあとは近くでランチをしてバスで世田谷美術館に移動します。川上澄生は妻お気に入りの版画作家のひとりで、作品もよく見ているので他の作家以上に楽しめます。残念だったのが、当日が最終日だったこともあって、図録が売り切れだったことです。

サンプルが置いてあったので見てみたんですが、なかなか良い内容で、値段も1400円とリーズナブル。幸い同内容の展示会を栃木県立美術館でも行なうそうで、同じ図録が扱われるとのこと。通販もあるみたいなので、10月まで待って取り寄せです。

世田谷美術館からはバスで用賀に出て、新玉川線で表参道に向かいます。根津美術館は母校である青南小学校と目と鼻の先、自宅からも徒歩5~6分でありながら、当時は1度も行ったことがなく、ついに旧館にはいけずじまいでした。

ただ、新館も話題のようだし、展示作品のほかに、建物自体にも興味があって行ったんですが、なんでしょうこの高級プレハブ館は?設計は隈研吾建築都市設計事務所だそうですが、まず第一狭苦しい。黒川紀章の新美術館でも感じたような雰囲気なんですが、大きな建物の割に狭い。もちろん素人考えではあるんですが、何を狙っているのかと思いますね。

あと、和風の演出が稚拙。日本の名のある建築家さんは多いと思いますが、日本の伝統建築の技術や意匠に関しては「大切だ」とか「意識している」とか口で言う割にほとんど理解されていないんじゃないかと感じることが少なくありません。実際明治の建築家は古建築のことは何も知らなかったそうで、その流れが今でも変わっていないんじゃないかと。

先日の京都の虎屋菓寮でも多少感じたんですが、それでもあちらは仕立てがとても緻密でした。でも根津美術館の方はその仕立ても良くないものですから、一体何のために建て替えたのだろうとさえ思ってしまいます。

根津美術館には五島美術館同様庭があるんですが、ほんとうにリニューアルオープン?と思うくらい剪定が行き届いていない感じだし、建物と庭との関わりもまったく面白くなく感じます。美術館建て替えの機会など決して多くはないので、もっともっと活かして欲しかったと残念です。

でも、根津美術館に展示してある燕子花図屏風は見事でした。ずっと見たいと思っていた鈴木基一の「夏秋渓流図屏風」も良かった。琳派はメジャーどころで宗達、光琳、抱一、基一…といますが、それぞれにかなり違う特徴を持っていますね。同じ琳派だからと同じモノサシで評価しようとしてしまうと、真価を理解しないまま「あまり好きじゃない」と見なくなってしまいがちですが、こうして実物を見ると、新たなモノサシに出会うことができて、とても豊かな気分になります。

さすがに3館めぐりは脳も体も疲れましたが、有意義な1日でした。
一般的には3館めぐりというと、サントリー、森、新美術館が有名で、次いで出光、ブリヂストン、三井美術館(+三菱一号館美術館)ですが、五島、世田谷、静嘉堂文庫美術館(+畠山記念館)もオススメです。

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Categories: Architecture, Art

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2 Comments

  1. 興味深く、記事拝見しました。
    なんという豊かな1日の過ごし方!
    文化性がタカーーーーイ!(しかもご夫婦で)
    まさにインプットが一杯一杯ですね(^^;
    日本画や版画に造詣が深く、目にして
    楽しめるって素敵に感じます。
    私は先入観からか、はたまた青いからか
    日本画にはちょっと苦手意識がありました。
    最近少しずつ見てみたいな、知りたいわと
    ようやく思い始めたところです。(遅)
    おすすめ、参考にさせてください(^^)
    > いや~ん、源氏変態~
    ワラタ。
    下のエントリ「矢七をエステ」の出だしにも
    つい吹きました(笑)

  2. >>tera@ststどの
    いやぁ~、自分もここ最近のことですよ。(歳のせい?
    本も色々参考にしましたけども、やっぱり目にすることで変わってきますね。こうしてブログなんか書いてると、昔の記事で訂正したいところなんかがいっぱい!
    さて、今日の天気はどうじゃろう。

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