確かに日本の建築は水平・垂直基調の端正なものとなっているが、それはあくまで結果的なものとして捉えてみたい。


そうでないものもあるだろうし、木造建築に水平・垂直以外の要素はちょっと特殊になるだろう。それよりも、そういう形になった根底にはどういった日本人の思想があったのか、そこのところが共通すると思われるのです。
「衣食住」という単語はよく使われるが、文化を知ろうと思ったら私は「言食住」つまり言葉を含めた3要素だと考える。宗教もあるが、これはもっと上の(浅い)階層にあるような気がする。そこで、現代に最も色濃く残っているほど強い文化性を持っているとしたら、最も文化を知る上で強力なのは言葉、次にほぼ半分以上が洋風のものとなっている建築や食べ物だろう、外した衣服に至っては9割以上が洋服となっていることからその理由もお判り頂けると思う。つまり言葉ほどではないものの建築を理解することは文化を理解することに非常につよいつながりを持つ。建築から文化を…となると非常にお堅いイメージになるが、そこは素人らしく感性でもって捉えていきたい。建築を見るときにはその単体で捉えやすい。そして、装飾や技術的なものに陥りやすい。しかし、マスターピースに書いたように建築物単体だけを見ることは意味をなさない。形の理由はかならずその土壌にあるからだ。そう言う意味では古い建築を移築し集めた民家園などはあまり意味がない。その点、街並みとして残っているところは全体が重大な意味を持つと考えられる。例えば、その昔、家を建てるときの単位はその場所に行ってから決めたと言われる。それはなぜか、周りの環境と調和させるためである。コンピューター上で設計したものを置くだけの現代とは全く逆である。当然街並みもそういった思想で作られていった。マスターピース82ページは竹原の街であるが、道の曲がり方、山の見え方など同じ様な形を取っている町や村は多い、これこそが日本人の感性で作られたものであるといえる。福田氏は「能面の美しさをみても具体的に模索するわけではない」と書いている。根底に流れる日本人の感性や心意気を読みとろうとしたのだと考えられる。ユーノス500もまた、そういった思想の上に成り立っているように感じられてならないのである。

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