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トヨタはファミレスだ(その1)

自動車メーカーの競争のなかで、トヨタの独り勝ち状態はなにも今に始まった事ではないけれど、その流れは衰えるどころか、世界2位のフォードを抜き、内容を考えたらもはや世界一と言っても良いような状況になってきている。

信頼度や顧客満足度といったアンケートでもつねにダントツで、そのうちマイクロソフトではないけれど、シェア獲得がもたらす効果によってこの流れも更にターボ加速をしそうな勢い。これはいかに「フツーのお客さんを残らず獲得する」というやり方が商業的に正しかったかを証明しているが、それとは裏腹にフツーでない小生ら自動車好きな者たちにとって、トヨタ車というのはどうにも煮え切らない。デザインもピンとこないし、性能も数字こそとってはいるものの、乗っても楽しくないという意見が大勢を占める。また、最近のヴィッツを例にすると、ドライビングポジションが著しく悪いまま売られているなど、相変わらずあからさまな不誠実な部分も目立つ。
それでも着々とトヨタばかりが地位を確立して行く状況に、他のメーカーは何をやってるんだ?と、責めの矛先を向けたくもなるのだが、ホンダだってマツダだってきっと頑張っているはず。ただ、小生はこう思うのだ「あまりにトヨタを横目で見すぎてやいまいか?」と。
トヨタは飲食業会に置き換えればつまり「ファミレス」などに代表される大型チェーン店なのだ。不特定多数の人にとっては圧倒的に利用しやすく、出される料理にしても決して不味くはない。というよりちょっと美味しいんじゃない?くらいの一定のレベルをキープする。しかも栄養価はきちんと計算されている。メニューの開発のためにそれなりの研究開発が行われている事は想像に難くないのだが、重要なのは、どんな料理でもまず大前提として優先されているのが利益管理であるということだ。
食べ物の中にこういったシステム化された経済原理が介入して来た時、食べ物がどういうことになっていくかというのは既に誰しもがわかっていることだろう。野菜はすでに戦前とは比べ物にならないほど栄養価が低下し、まさに似て非なるものに成り果て、ハンバーグなどの肉料理にしても得体の知れないものの味を濃いソースの味で包み隠してしまうような状態。1年中何億食もの同じ料理を同じ価格、同じ味で提供するのだから当然だろう。アナログな自然界をデジタルよろしく理屈が支配するようなシステム化された世界に無理矢理はめ込もうとすれば当然しわ寄せは発生するし、それでも無理に達成しようとする企業にもはや料理人魂は…ない。
つまりホンダやマツダが本当にトヨタに追い付き追い越すのなら自動車屋魂を売ってしまうくらいの勢いではなければならないのだ。この魂は良心と言い換えてもいいだろう。それを中途半端に捨て切れないと、次第に場末の喫茶店のように、もはや冷凍食品の提供だけしか出来なくなっていきはしまいか?自動車がシロモノ家電のようになったと言う声を聞くようになってから久しいが、個々の自動車製品そのものよりも、メーカーの体質の問題のような気がしてならない。
つづく

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3 Comments

  1. 全く同感です。
    ファミレスの喩えも、なるほどと思いました。
    マスのマーケットを相手にする事業、「産業」という視座からすればトヨタのメソッドは(結果が示しているとおり)圧倒的に正解なんですよね。
    同じような現象はクルマに限らず、音楽やコミック、ドラマなんかにも見られるような気がします。
    コムロ、少年ジャンプ、トレンディードラマ…ハリウッド・ムービーだとか「癒し系」なんかも同類かも知れません。言ってみれば「文化のジャンクフード化」でしょうか。
    お手軽、お手ごろ、値段相応の満足感等々。こういうのもグローバリゼーションなのかな。
    それはそれで市場の大多数のニーズに適っていると言うことではあるのでしょうし、商売の正義・正道に則ってはいると思うのですが…僕は、それを幸福な状態だとは思えないですね。物質的に豊かではあるのかもしれませんが。

  2. えーと、惰眠さんかな?違ってたらごめんなさい。
    「癒し系」については次の題材に考えているところなんです。なかなか核心のコメントを頂いてしまったので、(その2)を明日にあげようと思っていたのを今日に繰り上げちゃいましたよ(爆)

  3. あ、ごめんなさい。名前欄がカラになってたんですね。
    わたくしの書き込みでした。

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