鶴林寺2つある国宝建築のうち、今回は本堂を紹介します。

刀田山 鶴林寺〜本堂


鶴林寺に足を踏み入れると真正面にこの本堂が立ちはだかり、まずその偉容に感動します。桁行7間、梁間6間の堂々たるこのお堂は14世紀末に建立、従来の和様を軸としながらも大仏様や禅宗様のエッセンスを積極的に取り入れた折衷様と呼ばれる建築様式の代表作であり、室町密教本堂の最高傑作とも言われています。

外観では最大の特徴である全面桟唐戸(隅の間を除く)が同じ面の連続を生み出し、太い柱に向拝がないことと相まって古の仏堂に通じる力強さが感じられます。それでいて、二手先の組物と中備に蟇股と双斗を組み合わせたものを禅宗様の詰組のように配置し、緻密さもまた相当なもの。

屋根に目を移すと、高さが高く大きめの軒反りながらそのかたちは美しく、全体のバランスも秀逸。やはりこのあたりが日本の建築技術として最もバランスの取れていた時代だったんだろうな…と思わせてくれます。以前訪れた福山の明王院や、尾道の浄土寺の本堂も鶴林寺よりは少し時代をさかのぼりますが優れたお堂でした。

刀田山 鶴林寺〜本堂

画像ではちょっと分かりづらいですが、禅宗様の二重虹梁大瓶束があり、そのまわりに細かい彫刻がなされています。

刀田山 鶴林寺〜本堂

隅の組物。頭貫に禅宗様の木鼻や手挟が見えます。

次に内部です。このお堂が最高傑作たるゆえんは外部だけではなく、むしろ内部の架構によるもののほうが大きいかも知れません。

刀田山 鶴林寺〜本堂

まだまだ勉強不足なだけに、どこがどれだけスゴいのかがすべて理解できるわけではないのですが、こうやって画像のようにちょっと見上げただけでも、大仏様の架構に禅宗様の海老虹梁など、構造に装飾に各様式ちりばめてを広く高く、そして見応えある豪華な空間が演出されているのが分かります。

刀田山 鶴林寺〜本堂

じつに素晴らしいお堂でしたが、同じく折衷様の傑作と言われる観心寺の本堂をはじめ、いろんなお堂を見てみたくなりました。より多くのお堂を見れば見るほど楽しくなってきそうな気がしてなりません。

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