お次ぎは向かって本堂の右隣にある、国宝太子堂です。

刀田山 鶴林寺〜太子堂

太子堂は、本堂を挟んで常行三昧(阿弥陀経を読誦し、往生極楽の指南とする)のための常行堂とほぼ対称に位置し、法華三昧(法華経を読誦し、懺悔し、滅罪生善の規範とする)のための法華堂でしたが、堂内の板壁に聖徳太子像が描かれてから太子堂と呼ばれるようになったもの。旧屋根板にあった墨書によって1112年の建立とされ、天台宗の法華堂建築としては最古のものだそうです。1112年と言うと、平清盛が播磨守に任ぜられた1156年にはすでに存在していたわけです。すごい。

刀田山 鶴林寺〜太子堂

柔らかな桧皮で葺かれた縋破風の吹き下ろしに目がいきますが、南北朝時代あたりまでは板葺屋根で、さらに現礼堂部分もなく西が正面だったという意見もあるようです。つまり板葺ながらきれいな宝形造だったということでしょうか?やはり平安以前の建築はそのたたずまいに尊さを感じますね。建具に蔀戸を使っていることもなんとなく優雅な雰囲気に作用していますでしょうか。

刀田山 鶴林寺〜太子堂

鶴林寺には、これらの国宝建築の他にも常行堂(画像上、平安時代、重文)や護摩堂(室町時代、重文)、行者堂(写真下、室町時代、重文)など、見るべき建築がテンコ盛りなうえ、塔頭も多く、これらの中には瀟洒な庭園もあるかも知れないんですが、この日はたまたま将棋の王将戦が行われていて、残念ながら入れませんでした。

刀田山 鶴林寺〜太子堂

そしてさらに仏像さんも充実しており、愛らしいあいたた観音さんをはじめ、優れたものが保存されているので、そもそもたった1時間で足りるような相手ではありませんでした。今回はお天気もよく、ついバシバシ写真を撮りまくりましたが、次回はもう少しゆっくりと見て回りたい…そんなお寺です。

刀田山 鶴林寺〜太子堂

こんな素晴らしいお寺が地元にある方達はじつに羨ましい。もし自分が地元民なら間違いなく年間パスポートを買っています。鶴林寺には年間パスポートと言う名前ではないんですが、保存会や友の会があり、個人なら年間3000円で拝観し放題です。入場料と言うニュアンスだとなかなか財布の紐は固くなりますが、これだけの文化財を後世に残すため…と思えばすっかりユルユルになると言うもの。3000円は安過ぎるくらいです。 個人的には年間5000円の特上友の会制度も作って、会員とそのお連れ様は拝観料無料ってのもいいんじゃないかと思います。友の会にはいるような方なら、お寺にまつわる様々な(7不思議とか…)ことも御存知でしょうから、連れてきた方に喜んでレクチャーしてくれるはず、それによってお連れさんがさらなる鶴林寺ファンになってくれるなら…というワケです。

帰りはかつて鶴林寺駅があったあたりからかこバスに乗りました。

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