さて、雨が降り続く中、妙心寺の塔頭めぐりは続きます。

京都庭めぐりの旅 ~ 妙心寺 退蔵院


3番目に訪れたのは、妙心寺の中でも最もメジャーな退蔵院です。
この退蔵院の方丈西側には狩野派の絵師、狩野元信が作庭したと伝えられる「元信の庭」があります。

京都庭めぐりの旅 ~ 妙心寺 退蔵院

現在、方丈が公開されていないため、南側から覗き込むように観賞しなくてはならないのがちょっと残念ですが、雨にしっとりとぬれた石は、その形状、色彩ともに思いのほか表情豊かで、また川の流れゆく様もじつに明快。眺めていてシャン!と背筋が伸びるというよりは、心が和む庭のように感じます。あるいはそういったところが絵師らしいとされるゆえんでしょうか。当然ながら自分は僧ではないので、こういった庭はとても好きです。常緑樹を主に植えることで、年間を通して変わらない美しさを求めたと案内板にかいてありました。

京都庭めぐりの旅 ~ 妙心寺 退蔵院

退蔵院にはもうひとつ、余香苑と言う大きな庭があります。こちらは中根金作による昭和の庭園で、1963年から3年を費やして作庭されたそうです。明るく開放的で優美な庭園は、茶会などにも利用されるようですが、当麻寺の浄土庭園に相通ずる雰囲気があるように思います。ただ、元信の庭と違って、こちらは晴れた空が似合っていそうな感じですね。

新旧2つの明るい庭園が観賞できる退蔵院、とても気に入りました。妙心寺の敷地内でも南端に近い場所に位置する退蔵院は、JR花園駅からも近いので、時間のない方でも退蔵院だけはぜひ立ち寄ってもらいたいところです。

退蔵院のあとはちょっとだけバスに乗って、京都市生涯学習総合センター…つまり京都アスニーに寄りました。ここは何があるかと言うと、平安京の1/20スケールの模型があるんです。もともと平安建都1200年記念で京都市美術館で行なわれた展覧会の目玉として制作されたもので、こちらに移されたわけですが、あまりに大き過ぎて、一部展示できずにしまってあるそうです。撮影不可のため、掲載できないのが残念ですが、眺めているだけで結構楽しめます。

同じ模型の中でも時代に差異が設けられているそうで、大内裏周辺は平安前期頃、左京の中心部では平安中期頃を再現しているそうです。全国の様々な資料館でこういった模型が展示されている例は少なくないんですが、いずれはこういったものもみなCGになっていくんでしょうか。でももし、CGができるなら、10カ所くらいの特定の地点で、ヒトの目線で見た街並を、1500年分早送りしながら移り変わりを見せてくれるとちょっと面白いかも。

京都アスニーは屋内施設ですし、雨天で予定変更を余儀なくされ、時間が余ってしまったような方にはいいスポットかも。ただ、ボランティアの説明員お方が説明したくて手ぐすね引いて待っているので、つかまったら最後、1時間は話を聞き続けることになることは覚悟されたし。


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