大徳寺高桐院のあとは、最も有名な枯山水のひとつを擁する大仙院を訪れます。

大徳寺大仙院

大仙院は大徳寺境内の北東に位置し、 本坊の裏手にあります。天気も徐々に回復し、本日午前中のクライマックスにワクワクしながら到着しました。早く見たい気持ちを抑えつつ、1513年に建てられたという国宝の方丈を時計回りに巡ります。

そしてついに現れた庭園はまさに「息をのむ」ような光景でした。迫力の不動石に有無を言わさぬ説得力をもつ滝石組と川にかかる石橋…、敷地の狭さや庭石の近さもこのダイナミック感を強調しているとは思いますが、今朝方までの雨にぬれた石組たちに、まさにこの時差し込み始めた太陽の光が表情をつけ、想像もしなかったような光景が現れました。時刻は正午頃でしたが、光線の向きも完璧だったんじゃないでしょうか。ただ、惜しむらくは大仙院は撮影禁止なので、この瞬間を(ウデは別として)残せなかったこと。拝観者が少なかったので、眼に焼き付けんとばかりにじっくり観察しましたが、もう、すばらしい造形と構成力で、枯山水の代表と呼ばれるのもうなづけます。

しかしながら、一歩引いて改めて対峙してみると、この庭はあまりに意匠が強いためか、象徴的な要素を強く感じます。自然の輪廻から生き方を学ぼうと言うものよりも、教義を昇華させるような意図が感じられ、そういう点では妙心寺退蔵院の「元信の庭」の方が素直で明るくて好きかも知れません。

ある程度自然と接していると、人がどのように生活すればいいかを、自然が教えてくれます。自然と身に付くからこそ「自然」なんです。例えばダッシュ村などはそれが具体化された好例だと思いますし、教えを感じ切れなくても昔は分かる年長者が教えてくれたでしょう。そういったものをつねにそばに…というのが本来の庭園であったのではないかと自分は考えます。知識や技術は発達しすぎるとこういった感覚を退化させてしまうためです。本来の意義を見失った教義もまたしかり。

ところで、現存する最古の方丈建築は、東福寺の龍吟庵とされていますが、大仙院のパンフレットにはいまだに「わが国最古の方丈建築として貴重」と書いてありました。

大徳寺 大仙院 方丈


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