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虎渓山 永保寺

名古屋に行ったらぜひ立ち寄ってみたかったのが、夢窓国師の永保寺さんです。

虎渓山 永保寺


虎渓山 永保寺は、名古屋の北東約30km、岐阜県多治見市にある臨済宗南禅寺派のお寺。鎌倉時代末期にこの地を訪れた39歳の夢窓国師が、土岐川畔の中国で禅宗の名刹が集まる廬山の虎渓を思わせるような美しい幽邃の地に感動して庵を結び、虎渓山と名付けたのが始まりと言われています。

もともとユーノス500ミーティングの2日目は、犬山に行く話があり、ならば帰りに寄れるかなと思っていたのですが中止に。でもこの日は快晴で、しかも永保寺は紅葉の名所…と聞くともう行きたくて仕方ありません。2日目の朝に皆が集合するのは10時、早朝6時にホテルを出て7時に永保寺に着き、2時間見て9時前に出れば10時までに帰ってこれるかな…と計算し、朝5時に目覚ましをセットしました。永保寺は朝5時から拝観可能なので、こういう時にはとても有り難いですね。

名古屋高速1号線に乗ったら小牧北で東名に入り、しばし東京方面へ。そして小牧JCTから中央道に入って多治見ICで下りる予定…だったんですが、途中「東名」の看板が出たので「ちょっと早い気もするけどここかな」と思って曲がってしまったのが楠JCT。「どーもおかしい」と大森ICで降りて慌てて左折。すぐに東名をくぐるものの乗るところがないので、やむなく瀬戸経由で多治見まで行きました。この結果30分は余計にかかってしまいましたが、瀬戸の町を通れたのは良かったかも。

虎渓山 永保寺

この日は一番の冷え込みで氷点下でしたが、予報通りの快晴。国宝観音堂の裏側から下りていきますが、まずお出ましなのは、本堂です。

この本堂は2003年に火災で焼失、昨年に再建されたばかりのピッカピカのお堂です。焼失による関係者のショックは相当なものだったと思われますが、あえて燃えにくい構造での再建をせず、「元通りにしたい」と、建築基準法の適用除外を申請して旧本堂同様木造・桧皮葺での再建を実現させました。

虎渓山 永保寺

そして振り返ると、臥竜池と呼ばれる池が広がる池泉庭園が臨めます。日本庭園の第一人者である夢窓国師は、天龍寺や西芳寺の素晴らしい庭園で知られていますが、ここ永保寺庭園は初期の作品にあたり、それらのルーツとして、また無際橋と呼ばれる反橋が存在していることからもじつに貴重な庭園です。ここで反橋を見ておけば、今は亡き西芳寺の邀月橋や、それを手本にしたと言う慈照寺の龍背橋をその場で妄想するのに役立つというわけです。

それにしても、この素晴らしい眺めは、もちろん作庭の構成力もありますが、このロケーションによるところが大きいですね。そもそも永保寺庭園は観賞用ではなく、夢窓国師が理想とする禅の修行の場として構成されたもので、主役である梵音巌と呼ばれる岩山を見ると、まさに「なるほど」と納得するんですが、一方でとても美しい反りを見せる無際橋のおかげで、浄土庭園にも通じる安らかな雰囲気も感じられます。このバランスがじつに絶妙でとても気に入りました。

虎渓山 永保寺

無際橋の奥に建つ観音堂は、15世紀のものと言われ、国宝。今年葺き替えられたばかりの屋根の反りが大きく、弓欄間とともに禅宗様を主張していますが、屋根の裏側に目を移すと、扇垂木や混みいった組物がなく、禅宗様らしからぬ簡素さです。また前一間分が吹き放ちになっており、ちょっと独特なスタイルとなっているものの、なるほど主張し過ぎずに梵音巌などとよく合っているような気もします。しかも、極端に強い軒反りは個人的にあまり好きではないんですが、こうして梵音巌が背後にあると、不思議とよく合うんですね。

永保寺庭園、早起きして訪れて良かったです。この空間を体験したことで、今後さらに庭園やお堂を見た時に得られるものが増えてくるような気がしました。

虎渓山 永保寺

話は変わりますが、わが千葉県にもいすみに夢窓国師ゆかりの地があります。太高寺というお寺に国師が修行された洞窟が残っているんですが、最近になって袈裟が文化財指定されただけで、ほとんど何もしていません。いたずらに掘り起こせばいいってものでもありませんが、ただでさえ史跡の乏しい関東で、夢窓国師ゆかりの地がほったらかしなのはなんとももったいない話。

鎌倉では45年もかけて県や市が浄土庭園を持っていたと言われるかつての永福寺(ようふくじ)の土地を買い上げ、発掘調査をし、今まさに庭園を復元しようとしています。(詳しくはこちら。)いすみでも創建当時の西芳寺を再現して…というのは難しいでしょうから、小規模でも美しい日本庭園を作って国師を偲べる場所を作ってもらえたら。足立美術館の様に、とくに歴史がなくとも美しい庭園は人が訪れるし、ましていすみにはれっきとした史実があるわけですから。ただ、実はそう思って以前太高寺の住職とお話をしてみたんですが、全然乗り気じゃありませんでした。残念。

虎渓山 永保寺


Categories: Garden

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2 Comments

  1. おお!懐かしい!
    虎渓山に行ったんですね!
    オイラのお袋は多治見市出身で、祖父母の法事などで子供の頃から何度も訪れてるんです!
    紅葉も素晴らしいけど、雪景色も良いですよ!
    う~ん・・・オイラの記憶だと、池の真ん中の橋は赤だったような~・・・
    まぁ、古い記憶だから、どこかと混ざっちゃったかな?(笑)
    12/30に多治見に行ったけど、日帰りだったから行く暇が無かったんですよね(^^;)
    懐かしいネタをありがとうございます!

  2. Kahan

    2013年1月4日 — 4:50 PM

    まきのりどの、おおっ、ご母堂様は多治見のご出身でしたか。いいとこですねー、犬山や瀬戸も近くて文化的な場所です。京都もそうですが、雪景色はなかなか地元の方でないと難しいっす。橋は最近修復したようにどこかに書いてありましたヨ。本堂は新しいし、屋根は葺き替えたばかりだし、いい時期に行けて良かったです。

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