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K2HD vs XRCD

先日ビクターの新しいリマスタリングフォーマット、K2HDによる「Waltz For Debby」が発売されたので、久々に音質比較をしてみた。

画像、小さい紙ジャケの左側が今回のK2HD盤。右側がXRCD盤。左にあるBOXはヴィレッジヴァンガードセッションのコンプリート盤で、旧K2リマスタリング。その下が88年時点での音源を流用したと思われるベスト盤。以上全て国内盤。バックのレコードは左から国内盤再発の円盤新世紀盤(モノラル)、RS品番のセカンドプレス(ステレオ)、オルフェウム盤(モノラル)。
今回は主に、K2HD盤とXRCD盤、たまにセカンドプレスのオリジナル盤を交えて比較する。
まずは帯に書いてある能書きを紹介しよう。

K2HD
脅威のJVC新技術「K2 High Definition Coding」について。
このCDは原音(オリジナルマスター)が持つ、最大100kHzに及ぶ広帯域と24bitの高分解能な情報をCDフォーマットに収める画期的な新技術「K2 High Definition コーディング」により、新次元の音の世界が表現されています。

XRCD
1.XR-CDはマスタリングからマニファクチャリングの工程までを、初めて20bitで通して作成しました。
2.全てのデバイスをカスタマイズして、電源、ケーブルなども厳選しています。
3.XR-CDは人間が全ての工程を一貫したクオリティ・コントロールにより実現した高品位CDです。

これだけだとちょっとよくわからないが、印象としてはK2HDの方が最新技術を駆使した感じで、XRCDはとにかく手をかけて、いはばアナログ式に仕上げたと言う感じだろうか。
価格はK2HD盤が税込2415円。XRCD盤が2520円だ。ちなみにXRCDが最初出た頃はもっと高かった。

まずはジャケット、ほとんど変わらないが、K2HDの方が印刷のコントラストが高く、黒い部分がつぶれがち。紙ジャケは判が重なるとだいたいこういう傾向になる。
CDを取り出すと、画像にある通りK2HD盤は古いリバーサイドのラベルが印刷され、XRCD盤は素っ気ない。以前XRCDの技術者がラベルはあまり印刷を入れない方が音質にいい結果が出ると語っているところを雑誌かなにかで見た覚えがあるが、どれだけの差があるのか疑問だし、ラベルの印刷は楽しくていいと思う。が、問題はそのラベルだ。確かに「Waltz For Debby」はリバーサイドレーベルから出ていたのだが、リバーサイドのラベルも時代とともに変化しており、「Waltz For Debby」が出た頃にはこの白いラベルではなかったのだ。これが「New Jazz Conceptions」だったら構わないが、「Waltz For Debby」はステレオだし、黒いのにしてほしいところ。

そして肝心の音質だが、両者は見事に異なっていた。まずK2HDは音圧が高いのか、ボリュームがでかい。そして音の広がりがあって、ライブらしい臨場感にあふれる。その分、観客の話し声や物音がよく聞こえる。これは今までに聴いた感じのないものだったのでちょっと驚いたけれど、その臨場感と引き換えにサーッというヒスノイズが目立つ。全体に硬めのよくも悪くもCDっぽい音で、ドラムの高音系がちょっと乾ききった感じが個人的には疲れやすい印象を受ける。XRCDはもっとしっとりとした仕上がりだが、臨場感ではK2HDに譲る。
ただし、オリジナルに近いのはXRCDのようだ。ブラシやピアノの音の密度はやはりオリジナルには遠く及ばないが、CDの割に温かみがあって聴きやすい。それぞれの楽器の音色も気持ちのいいものだ。よって、現状では小生はXRCD盤に軍配を上げる。今回のようなライブ盤の他にスタジオ録音モノも機会があれば比較してみたい。

「おっ」と思ったのが、K2HD盤ではMy Romanceなどの出だしでマスターテープの劣化が原因と見られる音の揺れや音切れが修正されている事。これらは最初のK2盤の時には既にあり、88年音源や輸入盤の初期CDにはなかったもので、この時のデータを切り貼りしたのだろうか?
ここで、XRCDがあるのにどうしてビクターはK2HDを発売するんだろうか?という疑問も出てくるかも知れないが、両者のコンセプトとして、何となくだがXRCDはオリジナル盤を聴いているような感じにしたい雰囲気が感じられ、K2HDはマスターテープの情報を出来るだけ詰め込みたいというものが感じられる。どちらがいい悪いではないだろうし、こういった古い音源を使うJazzではなく、70~80年代以降のロック、ポップス等ではまた違った効果があると思われるので、今後もこのような新リマスターは見守って行きたいと思う。

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Categories: Music

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4 Comments

  1. これだけいろいろ揃ってると感動ですね!Bill Evansに対する想いが伝わってきます。
    とにかく聴き分ける耳をお持ちなのは素晴らしいことです♪
    私は専門用語はさっぱりチンプンカンプンなので、5回くらい読み直しました^^;

  2. しゃちこさん>>
    こんばんはー。いやいや、音は全然違うんですよ。昔はCDの発売日や発売国で音が違うなんて思いも寄りませんでしたから、それを知った時はビックリしたものです。ちとマニアックな話題ですいません(笑)

  3. デジタルK2紙ジャケ盤はXRCDと比べると、音圧レベルが高くて音が前に出てきたのと、テープのヒスノイズを取ってありCDらしい音でしたが、K2HD盤はその延長上のようですね。
    SACDは購入したのですが、K2HD盤は未購入なので参考になりました。

  4. くまくまさん>>
    こんにちは、コメントありがとうございます。あくまで個人的な主観での感想なんですが、お役に立てれば幸いです。

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