本を作り始めた頃は、ユーノス500が日本的であるとか、日本の文化を反映したものであるとかいうことは、全く関係なく、良いものは国境を越えてどんな人をも惹きつけるものだと思い、そう言った切り口は控えて、荒川さんにお任せしていた。


しかし、マスターピースを制作しながら、やはりユーノス500は見れば見るほど日本のクルマなのだなあと感じるようになっていった。たぶん、発表会でもそう言ったと思う。
ユーノス500はデビュー当初からそのデザインを評してヨーロッパ的と表現されることが多かったが、それは造形の秩序の達成度が高いために、独特の佇まいというか空気感というか、雰囲気を備えているという意味で、そのように言われたのだろう。見渡せば国産車にそういった特徴を持っているものは非常に少ない。確かにヨーロッパの街並みにもユーノス500は良く溶け込むが、それはオーガニックデザインによるところが大きい。私たち人間が観光旅行の際にどこで記念写真を撮ってもあまり違和感がないように、ユーノス500もまたそのように映るのである。ただ、マスターピースの写真を見ていただければ分かるように、日本の古い街並みへの溶け込み方はヨーロッパのそれ以上のものがある。この、環境と調和するという考え方が実はとても日本的なものだと思えるのである。今後はこの辺の分析をしてみようかと思う。(たぶん、休み休みになると思うけれど…)

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