京都御所の近くには虎屋一条店があり、その奥に虎屋菓寮京都店があります。

この虎屋さんはもう480年も前からここに存在し、寛永5年(1628年)以前から商売用に土地を買い増した証文も残っているそうです。少し南にある京都ガーデンパレスホテルは水戸藩の京都藩邸があった場所と言われていますから、黄門様も虎屋のお菓子をお召しあがりになったんじゃないか…などと想像してしまいます。

そしてここが今回ご紹介するくつろぎスポットの第3弾なんですが、これまでの2つに関しては大きな不満がありました。それは「茶がのめない!」ことで、ここでスッカリ憂さ晴らしができます…が、お値段も少々張ります。


さて、この虎屋菓寮京都店ですが、昨年の5月にリニューアルオープンしたそうで、今回のツレに紹介してもらいました。設計は他の虎屋さんも手掛けている内藤廣建築設計事務所で、通りからの外観は「これぞはんなり」と言いましょうか、落ち着いていながら明るく上品、嫌みなしと言った感じです。コンセプトも実は「はんなり」だったのかも。

店内に入って座ると、外観から想像する以上に天井が高くて開放的です。個人的にはもうちょっと天井は低くても良さそうな気がするのと、曲線の曲率にもう少し狙いを持った変化が欲しい…などと思ったりもしますが、この構造材をも兼ねているという吉野杉の集成材で作られたルーバー式天井自体は気に入りました。非常に細かいところまで丁寧に施行されていて、ルーバーとガラスの接点など凄い仕上げ具合いです。




北側の席は庭に面していて、席も庭に向けられ、南側の席もオープンテラス風になっていますが、その空間は共通のコンセプトによって非常にうまくまとめられています。

店内には和菓子や日本文化、京都に関わる本が約600冊も用意され(しかも各国語)、自由に閲覧できますので、それこそゆったり過ごせます。虎屋さんのお菓子はお安くないんですが、こんなくつろぎ空間で頂くならそんなふうにも感じませんね。

誉めてばかりだとアレなので、素人ながらちょっと気になった点を言うと、若干ですが単調な印象があることでしょうか。和風建築なだけに、もう少し空間の「気勢」と言いましょうか、方向性が欲しい気がします。

それと、以前のお店を知らないのですが、お庭のまとまりももうちょっと。あと、屋根は瓦葺になっているんですが、瓦葺の良さがもうひとつ出ていない気もします。必要以上に古式スタイルにとらわれる必要はないのですが、棟ももう少し高くしたいところ。とは言え眺めるにも過ごすにも質の高い素晴らしい建築だと思います。


ところで肝心のお菓子ですが、写真の季節の生菓子に、抹茶グラッセなるものを注文してみました。抹茶グラッセなんてどんなものかと思ったらこれが激ウマ!そのままでも美味しく、またついてくる和三盆の蜜をいれてもああ…。

普段こんなところは滅多にいかず、当然こんなお菓子を食べることも少ないんですが、知らぬが仏とはこのことか…。

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