洛西は大原野に佇む法寿山 正法寺には、宝生苑という爽快な眺めの庭園があります。

宝生苑

少し時間を巻き戻します。平等院が予想以上に長引いたので、源氏物語ミュージアムは次回にまわし、JR山崎駅へと向かいます。駅前の駐車場にクルマを置いて、和歌山へ向かう嫁を見送りに新大阪まで行くわけですが、時刻は12時過ぎ、この時間に来たのにはワケがありました。

トワイライトエクスプレス

来春での廃止が発表された、トワイライトエクスプレスが見たかったんです。通常、関東ではお目にかかれないだけにいい機会、しかもこの場所では札幌行きが行ったあと、すぐ15分後には大阪行きが来てくれるので、ちょっと得した気分でした。

妙喜庵

嫁を見送ったあと、また山崎駅まで戻ってきます。山崎駅前には千利休作の茶室「待庵」を擁する妙喜庵があります。なかなか駅前に国宝があるのも珍しく、見てみたいところですが、事前の予約が必要なのでこれもまた次回。弥七号に乗って正法寺へと向かいます。

千葉のいすみ市には夢窓疎石ゆかりの場所でありながら、すっかり寂れてしまった(失礼!)大高寺というお寺があり、以前から美しい庭園としての再興をのぞんでいると書いた事がありましたが、その地形や昭和に整備された比較的新しい庭園である事などから、正法寺の庭園こそはきっといいモデルになると、長いこと訪れてみたいと思っていました。

正法寺は、大原野の細〜い入り組んだ道の中にあり、ちょっと分かりにくいんですが、カーナビもスマホもないので地図をアタマに叩き込んで向かいます。それでも最近京都縦貫道路と大原野ICから阪急洛西口駅、JR桂川駅へのアクセス道路ができたおかげで幾分行きやすくなりました。

遍照塔

クルマを駐車場へ停めて門へと向かいますが、画像の赤い建物は遍照塔と言って、2010年の3月に落慶法要されたばかりのものです。さすがは京都、このような場所でも周辺はとても良く清められて、お寺が生き続けています。

正法寺

300円の拝観料を納めてご本尊様にお参りをしたあと、いよいよ楽しみにしていた庭園、宝生苑です。
ここは枯山水と池泉の両方が楽しめますが、枯山水はまず何を置いても遠く東山を望む借景が実に素晴らしく、低い壁がとても効果的です。有名な竜安寺の石庭も、昔は土塀の向こうに景色が広がっていたという説がありますが、こんな感じだったんでしょうか。

枯山水左手にある木はしだれ桜で、季節になるとそれはそれは華やかな世界になることでしょう。ちょっとホースリールがアレですが、1枚目の画像のように、たまに差し込む光が、ちょっと季節外れの石庭を活気づけてくれました。

宝生苑

右手手前に広がる池泉庭園も、明快な滝石組を中心にとても巧みに構成され、見応えがあります。

さて、庭園全体に配置された石たちは、それぞれに表情豊かですが、じつはこれらの石、よくある三尊石などではなく、みな動物に例えられたもので、庭園全体が動物園のように構成されており、別名「鳥獣の庭」たるゆえんです。

宝生苑

中には「???」なものもありますが、ライオンや象、リスなど、思わず感心するほど似ているものもあります。フクガエルはクジラの方がしっくりきたかも。

正法寺は、この宝生苑だけでなく、敷地全体が庭園のようになっていて、枯山水で構成されています。現、あるいは先代のご住職さんがよほどお好きなんでしょうか。おかげでとても楽しめました。
このあたりには他にも善峯寺や、楊谷寺、光明寺など、小規模ながら美しい庭園のあるお寺が点在しています。どうしてもクルマじゃないと行きづらいのですが、ぜひ回ってみたいと思います。

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