青春18きっぷで訪れた備中高梁でのお目当は、頼久寺の枯山水庭園です。

天柱山 頼久寺

石組から刈込み、飛び石にいたるすべての要素が、借景である愛宕山につながっていく構成がじつに見事です。ただ、左手の細長いS字刈込みは後年のものでしょうか、ちょっとテイストがズレているような、いないような。

頼久寺庭園は、日本庭園作庭家の大家として夢窓疎石と並び称される、小堀遠州氏の若き頃の作庭といわれ、パンフレットにもビシッと「小堀遠州作庭園」と書いてありますが、じつは、小堀遠州が手がけたという明確な記録はは何ひとつ残っていないんだそうです。

天柱山 頼久寺

庭園は刻々と変化するものだし、最も遠州らしいと言われる「大刈込」こそ、その変化する最たるものなので、実際のところどうなのかは自分にはわかりませんが、小堀遠州が確実に手がけたとされ、鑑賞経験のある金地院や二条城二の丸庭園と比較すると、確かにそれらとはちょっと雰囲気が違うようにも感じます。

天柱山 頼久寺

ここはもっと明るくて、瀟洒で、なんというか身近な感じです。こういった雰囲気で、しかも人工物である石臼を含んだ飛び石に石灯籠…、何となく出雲流庭園の康国寺を思い出します。場所にしてもさほど遠く離れているわけでもないですから、この辺りの流れ…なのかも知れません。

天柱山 頼久寺

ただ、出雲流庭園に石組はなかったと思いますし、それ自体とても見事な構成をしていることから、もしかしたらここにあった石灯籠をよけて、その跡に遠州が石組だけを…などと考えたりもします。

天柱山 頼久寺

石灯籠はこちらに設置されています。特徴的な丸窓が目を引きます。

天柱山 頼久寺

これが頼久寺の入り口で、その立派な石垣ゆえお寺というよりもお城か大名屋敷かといった趣。そしてさらに頼久寺から駅と反対方向に進むと、武家屋敷の立ち並ぶところに出ます。

天柱山 頼久寺

この立派な街並みにピンと来る方もおいででしょうか。そうなんです、右手前のお屋敷は「男はつらいよ」で1、2を争う人気作「口笛を吹く寅次郎」で、諏訪博の実家となっていました。

男はつらいよロケ地

ここは杉田かおるが上京する彼を見送った場所。なので映画では列車が岡山方面行きの設定でしたが、じつは逆向きだったのは寅さん豆知識。

蓮台寺=薬師院

備中高梁駅からは立派な石垣のお寺が見えますが、左側が映画で蓮台寺とされていた薬師院。新駅舎の完成に合わせて東口の駅前も整備中のようです。

そんなわけで、最後はすっかり寅さんの話になってしまいましたが、備中高梁、いいところです。備中松山城には寄れませんでしたし、ぜひまた訪れたいところです。

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